子育て世帯にとって沖縄への移住を考える際、度々ニュースで耳にする沖縄のいじめや不登校の問題が気になるものです。
この記事では、
- 沖縄は本当にいじめや不登校が多いの?
- いじめの残酷なニュースがあったよね…
- 子どもに安全なエリアはどこ?
など、沖縄のいじめ・不登校の実態についてから、万が一いじめにあった時の対応策まで、学校におけるいじめや不登校に焦点を当てて詳しく解説していきます。
この記事を読めば、移住者がいじめの標的になる理由や、リスク回避としての子どもを守る対策などについても分かる内容になっています。
お子さんを連れて沖縄への移住を検討していて、学校のいじめや不登校について気になっている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
結論:「運」と「子どもの性格」によるところが多い
当たり前すぎる結論ですが、沖縄移住して子供がいじめに遭わずに楽しく学校に通えられるかどうかは、「運」の要素と「子どもの性格」でほぼ決まります。これは沖縄でも同じです。
出来る対策としては、移住者が多いエリアの学校に行くことですが、那覇の新都心なら移住者が多く違和感が少ないです。
あとは正直、運の要素が強いです。市町村で治安の善し悪しを調べたとしても、学校ごと、学年ごとに状況は違います。そこまでは調べきれません。また、子どもの性格と転校先のクラスの子たちとの相性しだいでもあるので、可能な範囲の対策をしながら、非現実的かもしれませんが、「運を上げる」という視点で考えるのも有効かもしれません。
現実的にできる対応策については、この記事でデータなどを元に書いていますので、参考にしてみてください。
これが実態!沖縄のいじめと不登校
沖縄の学校ではいじめや不登校が多く、深刻な状況です。
ここでは、国や自治体の調査に基づいた結果をもとに、沖縄でのいじめと不登校の実態について取り上げます。
データでみる沖縄のいじめの実態
文部科学省の公表する最新のデータによると、沖縄の子どもたちの間で起こっている暴力行為は過去最多です。
文部科学省の公表する「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(令和4年度)」では、沖縄の国立・公立・私立学校におけるいじめ認知件数や不登校者数についての厳しい状況が発表されています。
データによると、沖縄の小学校・中学校・高校における暴力行為の発生件数は2983件と過去最も多い件数で、その問題の深刻さがうかがえます。
参考:文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(令和4年度)」
データでみる沖縄の不登校の実態
沖縄の公立小学校・中学校における不登校児童生徒数は増加の傾向にあります。
沖縄県教育庁の義務教育課による「不登校児童生徒への支援の手引き(令和2年3月)」によると、沖縄の公立小学校・中学校における不登校児童生徒数の推移は以下の通りです。
沖縄県における不登校児童生徒数の推移
沖縄県の公表するデータからも、不登校者数は年々大幅に増えていることが分かります。
小学校 | 中学校 | |
平成30年 | 1102件 | 1988件 |
平成29年 | 781件 | 1777件 |
平成28年 | 686件 | 1681件 |
平成27年 | 562件 | 1629件 |
沖縄県の不登校児童生徒数における全国との比較
不登校児童生徒数における全国との比較は次の通りです。(データは、不登校児童生徒数1,000人当たりの人数で比較しています。)
沖縄の不登校児童生徒数は、公立小学校・中学校ともに年々増加の傾向にあり、さらには全国を大きく上回っていることが分かります。
【小学校における不登校児童数(全国との比較)】
全国 | 沖縄 | |
平成30年 | 7.0 | 11.1 |
平成29年 | 5.4 | 7.8 |
平成28年 | 4.7 | 6.9 |
平成27年 | 4.2 | 5.7 |
【中学校における不登校児童数(全国との比較)】
全国 | 沖縄 | |
平成30年 | 38.0 | 43.7 |
平成29年 | 32.5 | 37.0 |
平成28年 | 30.1 | 34.9 |
平成27年 | 28.3 | 33.0 |
参考:沖縄県教育庁「不登校児童生徒への支援の手引き(令和2年3月)」
沖縄で移住者がいじめられる理由
ここからは、沖縄への移住者がいじめられる理由についてお伝えします。
沖縄に移住した方の中には、実際に地元の人からの差別を感じるという声も多くあがっています。なぜ、移住者は差別を受けるのか2つの理由について解説します。
差別の理由①:沖縄には特有の風習や文化がある
はじめにお伝えする理由は、沖縄の独特の人間関係の難しさや、地域ぐるみの絆の強さによるものです。
沖縄は離島や中心を離れるほど、集落ごとにある村社会のような風習が強くなり、移住者はよそ者として扱われます。
沖縄に移住し、とりわけ離島や田舎といわれる方面へ移住する場合は、長い年月をかけて築き上げられた地域の輪に入れてもらうという謙虚な姿勢が大切です。そして、地元の人たちと積極的に交流をはかることが求められます。
差別の理由②:移住者は沖縄っぽくない
次にお伝えする理由は、移住者には沖縄っぽさがないことです。
- 顔つきが沖縄っぽくない
- 苗字が沖縄っぽくない
たしかに沖縄の人たちには、目鼻立ちのはっきりとした沖縄っぽさがあります。これは、縄文人の遺伝子を引き継いだものによるといわれています。
また、沖縄の人の苗字は、なかなか難しくて読めなかったりします。沖縄の苗字は、地名がそのまま苗字として使われていたり、沖縄が琉球王国時代だったことに由来しています。
以上のことから、沖縄出身者同士で顔つきや苗字による仲間意識が生まれることで、輪ができたり、絆が強まりするのでしょう。
そういった点で、沖縄っぽさが感じられない移住者は差別というより、無意識に区別されるようです。
子連れで沖縄移住 リスクを避けるために
沖縄にはいじめや不登校が多く増加傾向にあり、移住者は差別されることが分かりました。そう考えると、子どもを連れて沖縄に移住するには不安しかない、と感じる方もいるでしょう。
ここからは、お子さんを連れて沖縄移住を考えている方に向けて、リスク回避を含めた子どもを守るための対策について解説します。
子どもを守る対策①:移住先として移住者の多いエリアを選ぶ
まず大切なことは、お子さんの通学を視野に入れて、移住者の多いエリアに住まいを選ぶことです。
沖縄には、特有の文化や風習、人間関係の難しさがあります。
また、繰り返しになりますが、離島や中心を離れるほど、集落ごとにある村社会のような風習は強くなり、移住者はよそ者として扱われる傾向があります。それは大人の社会だけでなく、学校での子ども同士の関係性においても同様です。
そのため、沖縄の中でも移住者の多いエリア、那覇市や浦添市、もう少し選択肢を広げるなら豊見城市や宜野湾市あたりを選ぶことをおすすめします。
特に那覇市は利便性の高さから移住者が多く、また都内に本社を置く企業が点在するため駐在員も多いです。
移住者が多いエリアに拠点を置くことで、移住者の輪が広がって、移住者であるという理由で学校で仲間外れにされたり、いじめにあうという負の要素が薄まるのです。
子どもを守る対策②:いじめにあった時の対応策を考えておく
いじめの多い沖縄で、移住者として子どもを学校に通わせるには、万が一いじめにあった時の対応策を考えておく必要があります。
もしも、お子さんがいじめにあったら、転校させるなどして環境を変えて守りましょう。
事が起こってしまったとして、すぐに対応するためには、あらかじめ転校先を調べておく、場合によっては私立に入れる準備をしておくなど、親として子どもを守れるような対策が求められます。
【残酷な現実!】ニュースで知る沖縄のいじめ
ここで実際に沖縄の中学校で起こったいじめについて、ニュースをもとに紹介します。
話題となった動画は、2017年1月に実際に沖縄で起こった暴行の様子です。学校の実名が拡散され、X(旧ツイッター)に投稿されて以降3万回もリツイートされるなど、大きな話題となりました。
参考:J-CAST ニュース
沖縄で実際にあった集団いじめ
この暴力行為によるいじめは、沖縄にある沖縄市立美里中学校のものです。被害者・加害者ともに中学2年生の男子生徒ということも明かされています
暴行現場に居合わせたのは、被害にあった生徒1人に対して加害した生徒は7人で、要するに、暴行を伴う集団いじめでした。
J-CAST ニュースによれば、この動画には約2分間に渡って暴力行為が繰り返される様子が映し出されていました。
公園の片隅で学ラン姿の男子生徒2人が向き合うと、上着はネイビー色の長袖シャツだけの加害者がいきなり相手を殴り、足蹴りを入れる。
「あーっ」と被害者が声を上げるが、加害者はフェンスにまで追い詰め、腹部などに連続でパンチや膝蹴りを見舞う。スマホで撮っている仲間の男子生徒らからは、笑い声が上がり、加害者はさらに、「やらかしてこい!」と被害者を挑発した。暴行はさらにエスカレートし、回し蹴りのほか、被害者の首に何度も飛び蹴りまでしていた。
「お願い、お願い…」。無抵抗の被害者が弱々しく声を出すと、ようやく周囲の男子生徒から「止めよう」と制止が入っていた。
引用元:J-CAST ニュース
沖縄移住で子供のいじめが気になった場合に考えるべきこと
ここまで、沖縄におけるいじめや不登校の実態や、沖縄で実際に起こった暴力行為を含む集団いじめについてなど、詳しく解説してきました。
さいごに、いじめから子どもを守るために、親として考えるべきことをお話します。
親子の関係性
いじめの対応において重要なことは、親子の信頼関係です。つまり、子どもと何でも話せる親子関係を築けているかが大切です。
子どもはいじめにあっても、親や先生に助けを求めないことがあります。
- 話しても分かってもらえなそう
- 告げ口したら、もっといじめられそう
- 弱いところを見せたくない
など、子どもが助けを求めない理由は様々です。
しかしながら、いじめは黙っていれば、どんどんエスカレートするものです。だからこそ、いじめにあって辛いとき、心を打ち明けられる親子の関係性が求められます。
いじめの対応と覚悟
いじめの対応には、親の覚悟が必要です。
お子さんのいじめが気になったら、すぐに動いて対応しましょう。学校に行けばいじめられることが分かっているのであれば、学校に行かせる必要はありません。
学校に相談しても解決しないのであれば、場合によっては学校ではない外の機関を頼ること、または転校させるなど早急に対応しましょう。
そして、親として覚悟することは、学校や加害家庭への対応です。たとえ謝罪を受けたからといって、すぐに和解する必要はありません。あなたに必要なのは、謝罪を受けることではなく、いじめを解決することです。
「いじめが解決しない限りは、謝罪も何も受け入れない」という毅然とした態度で対応しましょう。
友達は見て見ぬふり…。
先生も解決してくれない…。
さらに、親にも助けてもらえなかったら、子どもは落胆するしかありません。
どんなときも、親は子どもの最強の味方でなければならないのです。
いじめの経験が子どもの人生に与える影響
子どもがいじめを経験すると、それが数年後にトラウマや後遺症として表れ、その後の人生に深刻な影響を与えることがあります。
私たちは皆、幸せになるために生まれてきた存在です。子どもたちが本当に幸せになるためには、どうしても親や周りの大人たちの手助けが不可欠です。
小さな心が傷つくと、その傷はずっと癒えずに残ります。そのため、どんなことがあっても、親として真剣に子どもを守り抜くことが求められるのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、お子さんを連れて沖縄移住を検討している方に向けて、沖縄のいじめや不登校に焦点を当てて解説しました。
沖縄のいじめや不登校は年々増加の傾向にあり、深刻な状況であることが分かりました。そして、移住者はいじめの標的になりやすいことや、子どもを守る方法を考えて、対策を用意しておく必要性についてもお伝えしました。
家族で沖縄へ移住することは楽しみや憧れがある一方で、子どもにとっての重大なリスクも伴います。いじめは本当に辛いものです。沖縄へ移住することを検討する前に、まずは親として慣れない地域でお子さんを守りきれるのかなど、一度あなた自身と向き合って考えてみてください。