本島南部での住みやすさ

沖縄移住先に糸満市はどう?住みやすさや環境を解説

糸満市は那覇からも近くてアクセスも良い立地でありながらも、海やサトウキビ畑などの自然が美しい都市です。特に、平和祈念公園やひめゆりの塔などが有名で、伝統行事も盛んにおこなわれています。

古き良き風習が受け継がれている糸満市ですが、今回は糸満市に移住する前にしておきたい「衣・食(職)・住」について役立つ情報をまとめてみました。

糸満市の概要と特徴

糸満市は、沖縄本島最南端に位置する市で、古くから漁業が盛んなエリアとなります。沖縄戦の終戦地であり、本島最南端には平和記念資料館が設置されています。

県内有数の農産地でもあり、美しい海岸線やさとうきび畑などの風景がのどかな雰囲気を醸し出している魅力溢れる場所となります。

糸満市の場所と特徴

人口 62,173人(男性:31,469人、女性:30,704人)
世帯数:28,040世帯
人口密度 1平方キロメートルあたり約1,000人
那覇空港までのアクセス バス・糸満市役所 ⇒ 那覇空港国内線ターミナル約50分前後
車で約30分 ※1
米軍基地の有無 航空自衛隊 与座岳分屯基地 ※2

※1 以前は糸満市から那覇空港までのアクセスは時間がかかって大変でしたが、国道331号の移設や海沿いに橋が掛かるなどの交通整備が進み、数段に早くアクセスが良くなりました。

※2 沖縄戦においては最後の防御線の緊要地といわれています。また、周辺一帯は約20万名の戦没者の御霊を祀る沖縄戦跡国定公園に指定されています。

公式サイト:与座岳分屯基地

糸満市の治安状況

住む場所によって新しく開発されたエリアと古くからの文化が残るエリアに分かれているのが特徴です。いずれも治安は悪くありません。糸満市の平均犯罪率は1.02%で、沖縄県内では9位になっています。

参照先:biz,Monthly(ビズマンスリー)

糸満市の騒音状況

糸満市は沖縄本島の最南端にあり、アメリカ軍や自衛隊の基地から離れているため、騒音などの問題はほとんど皆無であるといわれています。

尚、糸満市では環境基本法に基づく騒音の環境基準の地域類型の指定、並びに騒音規制法などの規制地域の指定内容について、規制基準一覧を公表しています。

参照先:糸満市ホームページ

糸満市の渋滞状況

糸満市の渋滞に関する情報は見つかりませんでした。糸満市役所周辺の渋滞予測はこちらから確認することができます。

糸満市のメリット・デメリット

「住めば都」ではありますが、実際に移住した場合のメリット・デメリットについて触れてみましょう。

糸満市のメリット

・伝統行事に多く触れることができ、歴史好きな人には住んでいて面白みを感じられます。

・那覇市へのアクセスが良い立地でありながらも、比較的賃料が安く済みます。
渋滞も少ないことから、ストレスがなく住みやすさを実感しやすいでしょう。

・海に面しているのでビーチや公園(緑)が多く、絶景を堪能できます。
海好きな人やアウトドアを楽しみたい人には魅力的に映るでしょう。

糸満市のデメリット

地域密着型の安くて便利なお店が少ないので、生活に不便さを感じやすいです。

待機児童数が多く、沖縄県内ワーストワンの糸満市です。
 よって、子育て世代にとっては共働きする上で不安要素があります。

戦争遺跡や慰霊碑が多くあるので、苦手な人はストレスを感じるかもしれません。

糸満市の家賃相場と物件状況

糸満市のマンションの家賃相場は以下の表の通りとなります。

ワンルーム 35,000円
1K-1DK 49,300円
1LDK 50,000円
2DK 38,000円
2LDK 57,200円
3DK 49,400円
4LDK以上 100,000円

沖縄県の大都市・那覇市がワンルーム49,000円、浦添市では46,000円となっています。

参照:ホームメイト

糸満市の教育、子育て環境

糸満市では、子育て支援の拠点として2011年9月に「すこやか館」を開設しています。「未来を担う子供たちがすこやかにすくすく育ってほしい」という願いを込め、各事業が連携を取りあいながら、子育て支援や相談などの事業に取り組んでいます。

一方、糸満市の待機児童数ですが、2023年4月時点では56名となっており、沖縄県内ではワーストワンで残念な結果となっています。

参照先:市町村別の待機児童数の推移

公園の数や状況

糸満市内には多くの公園がありますが、その中でも代表的な公園を紹介いたします。

糸満海のふるさと公園

道の駅からも近く、土日でも比較的空いているので、のんびりできます。港の近くにあり、高台からは海を眺めることができます。遊具も少しあり、広場と沖縄の伝統的な家屋などがあります。

平和祈念公園

戦没者の名前が彫られた石碑があり、改めて第二次世界大戦の凄まじさを思い知ることができる貴重な場所となります。さらに施設の中でも戦争の歴史が分かる書物や動画もあります。

西崎運動公園

流れるプールやウォータースライダーと、テニスコートから野球場と充実しています。2月頃になるとプロ野球チーム・ロッテのキャンプもあり、多くの人で賑わいます。

無料駐車場もあって利用しやすく、ワンちゃんのお散歩を楽しむ市民でも賑わいます。鳥のサギが来る池やがあったり、空港から近い立地にあるため、飛行機も頻繁にみられます。

保育園・幼稚園一覧

認可保育園
16か所

認可外保育園
5か所

認定こども園
20か所

計41か所ありました。

参照先:KIDSNA園ナビ

小学校一覧

糸満市立潮平小学校
糸満市立真壁小学校
糸満市立高嶺小学校
糸満市立糸満小学校
糸満市立兼城小学校
糸満市立糸満南小学校
糸満市立西崎小学校
糸満市立光洋小学校
糸満市立喜屋武小学校
糸満市立米須小学校

中学校一覧

糸満中学校
兼城中学校
潮平中学校
高嶺中学校
西崎中学校
三和中学校

高校一覧

糸満高等学校
沖縄水産高等学校

大学・専門学校一覧

糸満市内では大学・専門学校はありません。

名護市の病院一覧

移住先でも必ずチェックしておきたいのが「病院」です。ここでは公式サイトが確認できた病院のみ(歯科以外)一覧表にまとめました。ぜひ、ご参照ください。

みんなのクリニック
きのしたこどもクリニック
医療法人南嶺会 勝連病院
糸満南小児科・内科診療所
医療法人仁清会 かみや母と子のクリニック
医療法人水晶会 安里眼科
よしかわ整形クリニック
医療法人以和貴会 西崎病院
医療法人徳洲会 ひめゆりクリニック
医療法人晴明会 糸満晴明病院
医療法人水平会 豆の木クリニック
医療法人陽和会 南山病院
がじまる診療所
医療法人白寿会 ハートフルクリニック
沖縄医療生活協同組合 糸満協同診療所

※公式サイトが確認できない病院は省略しています。

その他の病院情報はこちらからご参照ください。

糸満市の買い物スポット一覧

糸満市民の台所事情の支えとなるスーパーを紹介いたします。

丸大 糸満店

24時間営業なので利便性もあり、駐車場も広く出入りしやすいので多くの買い物客で賑わいます。国産の鶏肉、豚肉等は手頃な値段で買えるので重宝します。

動物性原料不使用の八重岳ベーカリーのパンが目玉で、毎週金曜日はパン全品が3割引(朝10時〜夜12時)なので、人気が高いです。お刺身は、他店より安くて質も良いと評判があります。

沖縄のスーパーマーケット|株式会社 丸大

サンエー糸満食品館

駐車場が広く買い物がしやすいです。漁港から近い立地のため、魚介類が特に新鮮で美味しいと評判です。団地にも近いので、品揃えも良いのが特徴です。糸満市内には他に「V21食品館西崎店」があります。

https://www.san-a.co.jp/

A-プライス 糸満店

業務用の商品が多くあります。お肉は種類が豊富で安く購入できるので、お肉はこちらでの購入がお勧めです。肉専門店の牛庵が入っているだけあって、質のいいお肉が手に入ります。

https://tcc.to-ho.co.jp/

タウンプラザかねひで西崎店

朝9時から夜12までの営業とあって、仕事帰りに立ち寄るのに便利です。店内にはクリーニング店や同じ敷地内に、沖縄銀行もあります。

駐車場は1階と2階とがあり、特売日もかなりお得感があるので、地元のお客さんにはありがたいお店の一つです。糸満市内には他に「タウンプラザかねひでいちゅまん市場」があります。

https://kanehideshoji-agrearms.webagre.com/

糸満市の求人状況

生活の基盤として外せない雇用事情は全国共通の課題ですよね。糸満市も例外ではありません。ここでは、糸満市の雇用状態について触れてみたいと思います。

全体的な求人数と多い仕事

求人ボックスで検索したところ、糸満市の求人数は280件でした。そのうち正社員の募集が129件となっています。アルバイト・パート、契約社員の枠で計137件となっており、非正規雇用の募集が若干多くあります。

大まかな内訳としては、事務職全体96件、介護職38件、看護師27件、保育士・幼稚園教諭26件…などと続きます。

給料の相場

糸満市の平均年収は269万3000円となっており、全国ランキング1376位という結果が出ています(2022年)ちなみに沖縄県内では28位となっています。

緩やかに少しずつ上昇している傾向ではありますが、全国的に見ると厳しい結果となっています。世帯年収では300万円未満が最も多く、11020世帯で51%となっております。

参照先:年収ガイド

糸満市のビーチ一覧

糸満市は沖縄本島では最南端のエリアに位置しており、多くのビーチや海岸があります。

大度海岸(ジョン万ビーチ)

潮だまりが多く、シュノーケリングでも有名なスポットです。透明度の高い海で美しいサンゴ礁や魚たちを観察することができます。ウミガメにも会えますよ。ただし、海水浴で利用するにはお勧めしづらいです。

那覇市からも近く、無料駐車場と有料でシャワーと更衣室があるため、利用には便利です。
また、海岸沿いにはキャンプ場やバーベキュースペースも設けられているので、1日中楽しめるスポットです。

美々ビーチいとまん

糸満市の端にある小さめのビーチです。アクティビティのレンタルやBBQなどもできます。ホテルの前にあるため、宿泊客に多く利用されているビーチです。

晴れの日は特に白い砂浜とエメラルドブルーの海がとても綺麗です。那覇空港を着陸する飛行機の空路になっているため、次々と飛んでくる飛行機が風景と相まって絵になります。

遊泳は、青いブイに囲まれた場所に限定されています。浅いので、子どもには問題ないですが、大人は利用しづらいところが難点です。どちらかというと風景を楽しむためのビーチとなります。

https://bibibeachitoman.com/

北名城ビーチ

人工的ではなく、シンプルで何もない、自然のままのビーチといった印象です。観光というよりは、地元民の和みの場所となります。

周辺にはお店や自販機も見当たらないので、飲食物は事前に用意しましょう。シャワーはないですが、トイレは完備しています。キャンプも無料でできるので、仲間内で楽しむことができます。尚、夕焼けの風景は絶景です。

糸満市の観光スポット一覧

糸満市内では沖縄の歴史を感じることができる、貴重なスポットが特徴的です。

平和の礎

平和の礎は、沖縄の方言で「いしずえ」といいます。屏風型のデザインにも、「平和の波永遠になれ」(世界にも平和の波が広がるように…)という願いが込められています。約25万人の犠牲者の方のお名前を刻むことができるように作られたとのことです。

沖縄戦の凄まじき歴史を考えさせられる貴重な場所となります。

https://itoman-okinawa.com/heiwanoishiji/

琉球ガラス村

琉球ガラス村では、職人の手仕事を間近で見れたり、琉球ガラス作りを体験できるメニューがあります。10種類を超える体験メニューがありますが、なかでも一番人気なのが「オリジナルグラス作り体験」です。

グラスの色を選び(泡加工などの有料オプションもあり)、グラス作りの簡単な部分だけを体験できるので、難易度は低いけれど、満足できるレベルでオリジナルグラスが作れます。

尚、飲食店での食事やガラス製品のショッピングを楽しむことができます。別棟の「じゃんがらや」はアウトレット製品が置いてあり、かなりお手頃な価格(正規品より3割程お得)での買物も楽しめます。

https://www.ryukyu-glass.co.jp/

道の駅いとまん

日本最南端の道の駅で、地元の野菜がお得に購入できたり、新鮮な鮮魚が食べられます。尚、沖縄のお土産品がたくさん置かれているので、見どころもたっぷりです。

マグロ解体ショーが特に目玉となっており、新鮮なマグロが食べられるお店もあるので、こちらに足を運ぶことがあった時はぜひ、味わっておきたいですね。

https://www.dc.ogb.go.jp/road/Michi-no-Eki/itoman.htm

沖縄県平和祈念資料館

沖縄県平和祈念資料館は、1975年に開館しました。館内には、沖縄戦の写真や遺品、戦争体験者の証言など、約1万点の資料が展示されています。沖縄戦を含む、太平洋戦争の歴史や悲劇を風化させないよう、この地で万国平和を祈念する施設となります。

資料館では、臨場感あるジオラマや、映像で戦争の悲惨さを伝え、後の世代に受け継がれるべき、貴重な場所となり、学びが多いです。

http://www.peace-museum.okinawa.jp/index.html

沖縄平和祈念堂

悲惨な戦争は二度と繰り返さず-沖縄県民のこの悲痛な願いを結集して、昭和53年10月1日に開堂しました。

沖縄出身の偉大な芸術家・山田真山画伯(1885〜1977)が、全戦没者の追悼と世界平和を希う沖縄県民の心を一身に担い、晩年の全生涯を捧げて制作されました。

堂内には多数の絵画が展示されていて、中央には巨大な平和祈念像があります。そして、巨大な仏像の裏には地下の霊石室に降りる階段があり、世界中の国から送られた石が展示されています。

https://www.okinawakyoukai.jp/

糸満市のカフェ・コワーキングスペース一覧

糸満市内でコワーキングできる場所は実に限られていますが、その中でも電源があるカフェをここでは紹介いたします。

Cafe Tiida Lab(カフェティーダラボ)

2018年にオープンしました。全面ガラス張りなので開放感があり、お洒落な店内です。Wi-Fiも完備されており、広々とした机で落ち着いて作業できます。ドリンクを注文すれば何時間でも滞在できる貴重な場所となります。

https://www.facebook.com/tiidalab/

コメダ珈琲店 沖縄糸満店

2018年8月のオープンしました。Free Wi-Fiがあり、利用者登録(メールアドレス) もしくは、SNS アカウントによる認証をして使用ができます。電源もあるので、ストレスがなく作業も捗りそうですね。

朝11時までにドリンクを注文すると、無料でついてくるモーニングサービスを利用すればお得です。

https://www.komeda.co.jp/

糸満市がオススメな人とオススメでない人

糸満市は沖縄の最南端にある市として、沖縄の歴史や伝統を肌で感じることができます。海も近く、のどかな風景を眺めることができる癒しの場所ではありますが、もし移住したら、実際の生活はどうなるのか?気になりますよね。

オススメな人

賃料を安く抑えたいと思っている人
糸満市は比較的賃料が安いので、コストを抑えて生活したいと考えるのに最適です。

那覇空港へのアクセスが良いので、観光巡りや本土への旅行を楽しみたい人
何といっても琉球ガラス村や平和祈念資料館などへも行きやすく、休日は観光巡りを楽しみたい人には魅力的です。また、那覇空港へのアクセスが良い立地なので、本土への旅行もしくは出張なども利便性を感じられます。

オススメでない人

買物をこまめにしたい人
スーパーなどのお店が少ないので、こまめに食料品を買いに行きたい場合は不便に感じます。まとめ買いがお勧めですが、その際は車も必需品となるでしょう。

子育て世代あるいは共働きをして生活したい人
待機児童数が多いため、小さなお子様を預けて共働きを考えている場合は、不安材料として影響があります。ご近所の方と助け合える関係性を築くなどの対策が必要となります。

まとめ

いかがでしたか?今回は「移住先に糸満市はどう?」を題材に、衣・食(職)・住…別にまとめてみました。沖縄戦の終戦地の歴史を感じつつ、日々を過ごすことができるでしょう。移住の候補として糸満市も片隅に入れていただければ幸いです。