今回は沖縄移住後にかかる生活費について解説します。
生活費や物価について、一般的に「都会は高くて、田舎は安い」というイメージがあるものです。リゾートである沖縄については「観光地だから高そう」や、一方で「都心よりは手頃そう」などと、沖縄の物価に対するイメージはさまざまです。
今回の記事では、
- 沖縄移住後の生活費の目安は?
- 沖縄の物価は安いの?高いの?
- 全国水準と比べて高い費用は何?
など、沖縄県の生活費の目安や物価についての基本情報から、生活費を左右する地域ごとの家賃相場までをわかりやすく解説しています。
またこの記事の最後には、沖縄の物価を全国水準と比較し、各費用の相場もお伝えしています。おおよその沖縄での生活費の目安がつけられる内容になっているため、最後まで読んでぜひ参考にしてみてくださいね。
沖縄への移住を検討している方にとって、移住後の生活費については気になるところでしょう。沖縄移住後に安心して生活を送れるよう、この記事を参考にしてください。
沖縄の生活費の目安
沖縄での1か月あたりの生活費は、単身の場合で20万円は必要です。1か月あたりの単身での生活費の内訳と各費用の目安については、下記を参考にしてみてください。
なお参考として、二人暮らしの生活費については、一般的には一人暮らしにかかる生活費のおよそ1.5倍といわれています。
家賃 | 50,000円 |
食費 | 50,000円 |
光熱費 | 15,000円 |
水道料金 | 5,000円 |
通信費 | 10,000円 |
日用品 | 4,000円 |
衣服・美容費 | 20,000円 |
交通費 | 10,000円 |
車両保険費 | 6,000円 |
医療費 | 10,000円 |
交際費 |
20,000円 |
生活費にかかる各費用について
沖縄移住後にかかる生活費の目安について費目別に解説します。
- 住宅費
- 食費
- 光熱費
- 水道料金
- 通信費
- 日用品
- 交通費(ガソリン代)
それぞれの費用について、沖縄での相場を交えて説明します。
住宅費
全国賃貸管理ビジネス協会によると、沖縄県の家賃相場は2部屋(2K・2DK・2LDK)56,044円です。全国的な家賃相場と比較してもほぼ平均的な水準です。
ただ、これは県全体における平均的な家賃相場のため、中心地の那覇市などでは高めの水準です。沖縄の家賃相場については、都市部と郊外には差があるため、費用の見通しを立てる際は住むエリアの家賃相場を確認するようにしましょう。
また、マイカーを所持する場合ですが、多くの賃貸物件では駐車場代が別途かかってきます。駐車場代も住むエリアによって費用が異なるため、住まいの賃貸契約をする際はあわせて確認しましょう。
参考:全国賃貸管理ビジネス協会「全国平均家賃による間取り別賃料の推移」
食費
沖縄の食料品は全体的に高めの水準です。
沖縄の食料品価格が高めの理由は、沖縄県内で生産されていない食品には、県外からの輸送費が加算されているためです。
その一方で、沖縄には外食が手頃な値段で楽しめるレストランが多くあります。また、コンビニでは商品に輸送費が加算されることがなく、どの商品も全国一律価格で購入できます。
光熱費
沖縄の多くの家庭では、消費電力が多く、電気代が高くなる傾向にあります。
沖縄県は亜熱帯海洋性気候のため、年間を通して高温多湿です。暑さ対策としてクーラーの使用頻度が高く、また湿度も高いことから除湿器やエアコンのドライモードを頻繁に使用します。ほかにも布団やベッドの湿気・ダニ対策として、こまめに布団乾燥機も使って手入れをします。
沖縄特有の気候による暑さや湿気対策のため、ほとんどの家庭において日常的に多くの電力が消費されています。
水道料金
沖縄県の水道料金は平均的な水準です。
三菱UFJ信託銀行の公表するデータによると、沖縄県の一か月あたりの水道代は4,530円です。東京都区部の4,543円と比較してみても、ほとんど差はありません。
参考:三菱UFJ信託銀行「都市部よりも生活費が格安?沖縄に移住を検討している方へ」
通信費
通信費についても平均的な水準です。
通信費は各家庭のニーズによって差が出る費用です。スマホ1台のみの契約では月々10,000円もかかりませんが、一方で固定電話や自宅でのインターネットを契約すれば倍以上の費用がかかってきます。
賃貸物件によっては家賃にインターネット代が含まれる物件もあるため、自宅にインターネット回線が必要な方は事前に確認してみましょう。
日用品
日用品については、商品によっては少し高めです。
食品価格と同様に、沖縄県内で生産されていない商品には、県外からの輸送費が加算されています。そのため、商品の多くは価格は高めの傾向です。
とはいえ、沖縄にも人気のディスカウントショップが多く点在するため、上手に利用することでお得に買い物ができます。
交通費(ガソリン代)
沖縄のガソリン価格は全国平均より若干低めです(2023年10月現在)。
ガソリン価格比較サイト「gogo.gs」の公開するデータによると、沖縄県のガソリン価格は169.6円、全国のガソリン平均価格は171.3円です(レギュラー / 2023年10月現在)。
沖縄のガソリン代が全国水準より低めに抑えられている理由は、沖縄県ではガソリン税の軽減措置がとられているためと考えられます。ただ、全国平均との価格の差はわずかなため、沖縄へのガソリンの輸送費を考慮すると、状況によっては全国平均価格を上回るケースも予想されます。
沖縄の地域ごとの家賃相場
ここからは沖縄の地域ごとの家賃相場について解説します。
全国賃貸管理ビジネス協会によると、沖縄県の家賃相場は、たとえば2部屋の間取りでは56,044円です。全国的な家賃の相場と比較してもほぼ平均的な水準といえます。
1部屋 | 2部屋 | 3部屋 | |
沖縄県 | 45,513円 | 56,044円 | 63,964円 |
全国平均 | 51,281円 | 58,551円 | 66,233円 |
参考:全国賃貸管理ビジネス協会「全国平均家賃による間取り別賃料の推移」
沖縄県の地域ごとの家賃相場
沖縄の賃貸相場はおおよそ全国水準並みですが、都市部の那覇市など住むエリアによっては平均家賃よりも高くなる傾向です。
沖縄県の主な地域ごとの家賃相場は次の通りです。ここでは単身から二人暮らし向けの2タイプの間取りについて、家賃を各エリアごとに比較してみます。
1K/1DK | 2LDK/3K/3DK | |
那覇市 | 5.3万円 | 8.9万円 |
浦添市 | 5.0万円 | 7.1万円 |
豊見城市 | 4.7万円 | 6.5万円 |
宜野湾市 | 4.6万円 | 7.0万円 |
糸満市 | 4.7万円 | 6.3万円 |
沖縄市 | 4.2万円 | 5.6万円 |
名護市 | 4.1万円 | 5.8万円 |
沖縄県内では家賃が高めの那覇市ですが、唯一公共交通機関が充実しているエリアのため、家庭や年齢などの状況によっては自家用車も持たないという選択も可能です。他のエリアより高めの家賃がかかる分、生活費にかかわるメリットとしてガソリン代や駐車場代、自動車保険の代金、その他車の維持費など、車にかかる費用の負担が軽減します。
そのような観点からも、住まいを選ぶ際には家賃の手軽さだけでなく、広い視野をもって住みたいエリアの事情を把握しつつ判断しましょう。
全国水準における沖縄の物価
ここまで生活費にかかる沖縄の物価について説明してきました。
ここからは他の都道府県と比較した生活費について、各費用の消費者物価地域差指数を用いてお伝えします。
沖縄県の物価指数
総務省の公表する「物価統計調査」によると、沖縄の消費者物価は食費や水道光熱費がやや平均を上回るものの、どの費用も平均並みです。
沖縄県の費目ごとの消費者物価地域差指数は下記のとおりです。沖縄移住後にかかる生活費の主な費目について、全国平均を100として沖縄県での費用の指数が示されています。
この指数によって、沖縄の生活費のおおよその相場がわかるようになっていますので、ぜひ沖縄に移住後の生活費の見通しを立てる際の参考にしてください。
住宅費 | 85.2 |
食費 | 103.0 |
光熱・水道料金 | 105.6 |
交通・通信費 | 97.3 |
家具・家事用品 | 97.9 |
医療費 | 98.4 |
参考:総務省「物価統計調査」
沖縄の物価は高い?安い?
沖縄における消費者物価地域差指数を紹介し、生活費における各費用の物価水準についてお伝えしました。
先に紹介した「各費用の消費者物価指数」のデータより、沖縄でかかる生活費において、食費と光熱・水道料金は全国水準より高め、その他の費目については低めの水準であることがわかりました。
これらの数値から判断すると、地域によって幅のある住宅費を除き、他の費目ではどれも若干の差にとどまることから、沖縄での生活費は全体的に全国平均並みと考えられます。
まとめ
今回は沖縄の生活費について解説しました。
この記事では、沖縄移住後にかかる生活費の目安や、生活費としてかかる各費用の内訳について、また月々の生活費を左右する家賃については地域ごとの家賃相場を紹介しました。
そして記事の最後には、沖縄の物価を全国水準と比較するため「消費者物価地域差指数」を用いて解説しました。これにより沖縄の沖縄県の生活費は、全国水準として極端に高くも低くもなく、おおよそ平均的ということがわかりました。
沖縄県での移住後の生活費について検討する際は、ぜひこの記事を参考にして毎月の生活費の目安にしてくださいね。